【サメDの使えるツール、ディぐります!#018】Fluid motionを使って、素材を60FPSにアップコンバートする実験

こんにちは、サメDです。
Youtubeが60fpsに対応して約6年(執筆時)もはや投稿動画は60FPSがスタンダードになりつつあります。
ゲーム実況なんかは特に60fpsの動画しか見なくなってきてさえいます。

ですが、映像制作の主流はまだまだ30FPSが多いのが現状です。

そこで今回は、昔撮ったり買ったりした動画の素材を、AMDのCPU/GPUを搭載している人が使えるFluid Motionという機能の手助けを得て、フレームレートのアップコンバート、いわゆる疑似60FPS化に挑戦してみようと思います。

※注意

皆さんの時間を有効活用するために、結論を先に書いておきます。60FPS化は成功しますが、動画を書き出す方法が微妙です。複数ファイルの60FPS化には向いてないので、あしからず。

 

そもそもFluid Motionとは

簡単に言うと、AMDの映像補完技術です。
上の動画を見てもらえばわかるように、24fps/30fpsのカクつく動画を60fpsに補完して滑らかに再生する技術です。

電気量販店においてある、高級テレビなんかに搭載されていることも多いですね。
「フレーム間補完」なんて呼ばれることもあります。

この機能は相当昔から実装されており、2014年の8月には使えたようです。
そしてその頃は、この機能を使いたいがゆえにAMD製のGPUを買っていた人もいたようです。

余談ですが、5ch(旧:2ch)ではこのFluid Motionは「古井戸」とスラングで呼ばれているようです。
調べてていきなり井戸とかなんじゃそりゃってなりました。

鯖(サーバー)とか垢(アカウント)など、「スラングで呼ばれる=親しまれている」ってことだとおもうので、昔はこの機能、期待はされていたはずなのにどうしてこうなった…

夢の技術はなぜ広まらなかったのか…

どんな映像も60FPSに補完してしまう、夢のような技術「Fluid Motion」ですが、なぜ流行らなかったのでしょうか。
それは、Fluid Motionが限られた条件下でしか利用できなかったことにあるとサメDは考えます。

何を隠そう「Fluid Motion」はYoutubeやAmazon Prime Videoのような、ネット配信動画には適用できないのです。
そして、Youtubeが60FPS対応を始めてしまい、その存在はますます薄くなっていったのでしょう。

いまではお役御免になってしまったこの技術ですが、
この実験がうまくいけば映像制作の場面で再活躍できるかもしれません。

実際に使用してみる

サメDはAMDのグラフィックボードを持っているため、Fluid motionを利用できます。
ですが、いくら探しても、グラフィックボードのソフトウェア項目にFluid motionが存在しません。

ああなんと、嘆かわしいことに、Fluid motionは公式のドライバーソフトウェアからも表記が消滅しているとのこと。
なんて不憫なんだ…

(※今は表記が復活したようです)

ですが、古代の勇者のごとく、深い眠りについているFluid motionを目覚めさせる方法はあります。
その魔法のソフトウェアの名は「Bluesky Frame Rate Converter」。

その女神のような光でFluid motionは再びこの世界によみがえるのです。

Bluesky Frame Rate Converterの設定

まあ、なんというか、さっさとFluid motion君を叩き起こしましょう。

1.ソフトのダウンロード

https://bluesky23.yukishigure.com/BlueskyFRC.html
こちらのURLから「Bluesky Frame Rate Converter」をありがたく頂戴します。

2.ソフトの起動
中に入っているソフトを起動し、GPUのプルタウンから機能の有効化を選びます。

そうすると、ディスプレイドライバをリセットします、といった内容のダイアログが出現。
「はい」をクリックすると、しばらくしてドライバーソフトのリセットが入り、画面が何度か暗転します。

次に画面が復旧するころには、プルタウンメニューにGPUの名前がセットされていると思います。
これで、一応機能の有効化は完了です。

3.DirectShowフィルター機能への登録

DirectShowフィルター?ってなんぞという方、私もよく分かってません。

wikiによると、
//DirectShow (DSまたはDShowとも略される)は、マイクロソフトによるメディアファイルまたは
ストリームに対する様々な操作を行うマルチメディアフレームワークとAPIであり、
Video for Windowsの後継となっている[1]。コードネームはQuartzであった。
COMをベースとしており、多数のプログラミング言語で利用可能な共通のインターフェイスを公開し、
拡張性も高いものとなっている。フィルターベースでアプリケーションユーザーまたは
ソフトウェアプログラマーの要求に応じてメディアの再生・記録などの操作を行えるようになっている。

だそうです。
サメDはよくわからなかったので、次に行きます。

アプリケーションに戻って、[終了]ボタンの右にある[^]ボタンから、DirectShowフィルター > 登録 を選択。
終了を押しておしまいです。

実は、ここまでやってもまだ、Fluid motionは利用できません。
次に対応しているプレイヤーを準備し、設定を行います。

だんだん何故流行らなかったのか分かってきました。

プレイヤー側の設定

Fluid motionに対応したプレイヤーはいくつかありますが、今回はみんな大好き「MPC-BE(Media Player Classic – BE)」を利用します。

https://sourceforge.net/projects/mpcbe/files/MPC-BE/Release%20builds/
こちらよりどうぞ。

インストールをするだけなので割愛

1.プレイヤーにdirectshowを使ってもらうように設定をする。
表示 > オプションより 外部フィルター

左上のフィルターの追加より一覧を表示し、Bluesky Frame Rate Converter を選択。
そうすると、画面の中央にBluesky Frame Rate Converterが追加されるので、チェックを入れ、左の優先度を「優先する」に切り替える。
[ok]ボタンより適用する。

これでフィルターを利用してくれるようになりました。

ふう、長かった…

それではいざ、Fluid Motion。

わざわざ章を区切る必要なんてどこにもない事です。プレイヤーに動画をD&Dして、ただ動画を再生するだけです。
不安な方は表示 > 統計情報 を表示すると、60FPS出ているのがお分かりになると思います。

ふむふむ。なるほど、
どうやら、このFluid Motion、ある程度のコマ数がないと補完機能が働かないようです。

縦横のスクロールには絶大な効果をもたらしますが、コマ間の補完はあんまりかもしれませんね。

Fluid Motionの動画を保存する

ここでサメDは大幅に躓きました。
保存する方法がないんです。

あれ、詰んでね?

動画の書き出しとか、そういうのはどうやら存在しないようで、ネット中を探しても書き出しをするソフトはない模様。

あーこれは…
デスクトップの動画キャプチャしかないんですかねぇ…

奥の手、最終手段ということで、なるべく劣化がないようRADION RELIVEの設定をガン上げしてキャプチャ。
ここで60FPSにすることをお忘れなく。

最後の最後でどうなってるんだこれは…

まとめ

AMDの機能として、長年愛されてきた Fluid Motionを今回は試しました。
確かにヌルヌルの表示にはなったものの、書き出す方法がないということで、今回の検証では微妙という結果に。

一応デスクトップキャプチャーツールで書き出せはするものの、キュー機能がなく複数ファイルをどうするのか非常に悩ましいです。

まあ、とても大事な動画ならひとつづつキャプチャーして、カットしてそろえていくことも可能ですが…

なにか打開策がある方は、ぜひコメントをお待ちしております。また、サメDはもう少し頑張って、書き出す方法を模索してみます。

見つかりましたらまた記事として共有するので、気を長くしてお待ちください。

この記事が皆さんの製作の参考になれば幸いです。

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サメD

主にデジタルでのモノづくり全般が好物なサメ。 AEとはもう8年近くの付き合いだが、「エフェクト」をほぼ使わずに作業するため、スキルが一向に上達する気配がないのが最近の悩み。 本サイトではWebサイトの管理、イラストを担当中。

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