最大2~3倍レンダリングが高速に?AfterEffectsのβ版にマルチフレームレンダリングが実装されてた件
こんにちは、サメDです。
本日はAfterEffectのβ版に待望のマルチフレームレンダリングが実装された、との噂を聞いたので、どれぐらい早くレンダリングできるのか検証していきたいと思います。
β版から導入されたマルチフレームレンダリングとは
blog.adobe.comによると、モーショングラフィクスの需要にこたえて、マルチフレームレンダリング機能を搭載したそうです。
詳しくは上記公式のブログを見ていただくのが早いのですが、軽く説明していきます。
今回実装された「マルチフレームレンダリング」とは、並列処理で同時に2枚以上のフレームを書き出すことができる機能です。
これまでのAfterEffectはシングルフレームレンダリング、とも呼ぶべき「1F目を書き出した後に2F目に取り掛かる」といった書き出し方法を利用していました。ですがマルチフレームレンダリングは、「1F目とほかのフレームを並列処理して順次書き出す」といった挙動をするようです。
ちなみに、マルチコアレンダリングにはCS5時代より対応しています。
こちらは1Fを複数のコア(CPUの中にある複数のエンジンみたいなの)で処理する仕組みです。
実際どれだけ早くなるのか
長々と新機能について説明をしてきましたが、実際目に見えて効果があるかが問題です。
そこで今回は私サメDのPC環境でどれだけ高速化するか確認してみました。
ちなみに、今回の高速化はPCスペックがよければ良いほど加速されるようで、
- 最小構成 → 1.2 ~ 1.4 倍
- ミドルスペック → 1.6 ~ 1.75 倍
- ハイスペック → 2.0 ~ 3.0 倍
というようになるそうです。
今回のテスト環境
▽サメD PC環境
- AMD Ryzen5 5600X
- Geforce GTX1080
- 16GB RAM
- NVMe 500GB SSD(WD Blue SN550)
そして今回使用するのはAdobe公式で配布されていた、「AEPulseBenchmark」を利用しています。
こちらのaepは、マルチフレームレンダリング対応エフェクトのみで構成されているという、ベンチマークにはもってこいのプロジェクトです。
実際に自分のPCでもやってみたい!という方は上記ページ内の「Start Testing!」下、 benchmark project からダウンロードすることができます。
いざベンチマーク!
※カスタム設定「1920 × 1080 / QuickTime形式」にて書き出し
結果は御覧の通り、1.85倍となりました。
レンダリング中のCPUの状況も比較してみましょう。
■AfterEffects β(ver.22.1)
■AfterEffects (ver 18.4)
これまでの内容だとβ版に今すぐ乗り換えてもいいレベルですが、このβ版にもやはり致命的な弱点があります。
冒頭にも述べたように「モーショングラフィクスの需要にこたえて」実装された機能なので、まだサードパーティー製のプラグインの対応が進んでいません。
まとめ
今回はAfterEffectのβ版に待望のマルチフレームレンダリングが実装された、との事でレンダリングスピードを検証してみました。
10/22時点で、公式から出ている「マルチフレーム対応エフェクト」によると、
- Matte > Mocha shape
- Simulation > Particle Playground
以外のエフェクトについては、マルチフレームレンダリング対応となっています。すごい!
サードパーティー製のプラグインを一切使用していない場合でレンダリングの重さに悩んでいる人は一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。
この記事があなたの制作活動に役立つと幸いです!
サメD
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